「ああ、仕事に疲れたな……。」
そう感じて、かつての情熱の炎が消えかけている方はいませんか?
何を隠そう、教員として働く私もその一人です。
以前は教育に夢を見て情熱を燃やしていましたが、昨今は何かと批判の声も多く、自分の理想を貫く難しさを日々感じています。
やりたいことがやりにくくなっていく現状に疲弊していました。
「やりたいことを自由にやるためにFIRE(経済的自立と早期退職)するしかない!」
本気でそう考え、今はFIREを目標に頑張っています。
でも、そんな私でも、昨日は「やっぱり、この仕事も悪くないな」「自分はこの仕事が好きなんだな」と、心がじんわり温かくなる出来事が2つもありました。
今日は、私が再発見した【キャリアの幸福】についてお話しします。
それは、大きな成功や昇進といった派手なものではなく、日常にそっと隠れているような、ささやかな幸福です。
1.「わかりやすい」という、最高のご褒美
1つ目は、授業中の出来事です。
昨日は古文の「歴史的仮名遣い」を教えていました。
このブログを読んでいる方も、聞き覚えがあるのではないでしょうか。
「今は昔、竹取翁と言ふものありけり。」
この「ふ」は、音読するときには「う」と読みますよね。
こういったルールを確認する時間は、どうしても説明が多くなってしまいます。
「説明ばかりで、生徒たちも眠たいだろうな……。」
申し訳なく思いながら授業を進めていると、一番前の席に座っている一人の生徒が、ポツリと呟いたのです。
「先生の説明、わかりやすいな。」
このつぶやきを聞いたとき、にやけそうになる顔を必死で抑えました。
ずっと頑張ってきたことが、ふっと報われるような感覚でした。
「もしかしたら、みんなは分かりにくいと思っているかもしれない。」
そう思いながら授業をするのと、
「一人でも、わかりやすいと思ってくれる生徒がいる。」
と知って授業をするのとでは、雲泥の差です。
授業という、自分の仕事の中で一番大きな割合を占めているものを褒められ、「今まで何回も同じことを教えてきたから、少しは説明が洗練されてきたのかな」と、これまでの自分の積み重ねを肯定してあげることができました。
FIREを目指していると、つい今の仕事を「辞めるまでの辛抱」と捉えがちですが、この一言で「ああ、ここでの経験も無駄じゃなかったんだ」と、ちゃんと自分を認めてあげられた気がします。
そして同時に、「私も、人を褒めるポジティブな言葉をたくさん口にしていこう」と、前向きな気持ちにさせてもらいました。
2.職員室が湧いた「小さな一歩」
2つ目は、授業が終わった後の職員室での話です。
別のクラスでは、スピーチの授業をしています。
その中に、普段からなかなか声が出せない生徒がいました。
声を出すことが苦手で、いつもは身振り手振りでコミュニケーションをとっています。
しかし昨日は、その生徒が自分の声を出してスピーチをすることができたのです。
もちろん、これは私だけの力ではありません。
その生徒自身の頑張りの成果であり、それを支えたクラスの生徒たちの温かい雰囲気があってこそです。
スピーチは動画で撮影していたので、職員室に戻ってから担任の先生にその動画を見せました。
すると、担任の先生は驚きながら大喜びしてくれました。
「すごい! これ〇〇さんだよね!?」
その声を聞いて、他の先生たちも「どうしたの?」と集まってきました。
「こんな声なんだ……」と感動している先生や、「どうやったの?」と私の指導法に興味を持ってくれる先生もいて、職員室はプチ騒動になりました。
もちろん私一人の力ではありませんが、あの子にどうアプローチすれば声が出せるか、試行錯誤してきたことが、ピタッとハマった手応えを感じ、素直に「やった!」と思いました。
でも、それ以上に、その子が一歩前に進めたことが何よりも嬉しい。
そして、その子の成長を、一緒に驚き、一緒に喜んでくれる素敵な友達や同僚がいる。
「ああ、この仕事はやっぱり素敵だな」 そう、心から思いました。
FIREを目指すからこそ、今の「好き」を大切にする
仕事に疲れ、情熱を失いつつあった私ですが、この2つの出来事のおかげで「やっぱりこの仕事が好きだな。」と思い出すことができました。
「では、FIREしないでこの仕事を続けたいか?」 と問われたら、残念ながらまだ簡単に「はい」とは言えません。
やはり大変な仕事ですし、自分のやりたいことが100%実現できるかと問われたら、首を横に振ってしまいます。
でも、FIREまではまだまだ時間がかかります。
「嫌だ」「辛い」と思いながら、その日まで我慢して働き続けるのは、あまりにも苦しいです。
だからこそ、この仕事の「好きな部分」「素敵な部分」を再確認できて、本当によかったと思います。
教員になった当初とは、私の気持ちも、世間が教師に求めるものも変わってきています。
それでも、「自分はまだこの仕事が好きなんだ」「この仕事はこんなに素敵なんだ」と思いながら働けるのは、とてもありがたいことです。
疲れた心と体に、優しく沁み渡る出来事でした。
あなたの【キャリアの幸福】を見つけるヒント
【キャリアの幸福】は、転職や昇進といった大きな出来事の中だけにあるのではありません。
FIREという大きな目標を目指している最中でも、今この瞬間の仕事の中に喜びを見つけることは、明日への大きな活力になります。
この記事を読んで、皆さんもご自身の仕事や活動を振り返ってみませんか?
・誰かに「ありがとう」と言われた瞬間
・自分の説明が「わかりやすい」と伝わった瞬間
・誰かの成長を、みんなで喜べた瞬間
もしそんな「心が温かくなった瞬間」を思い出したら、ぜひ手帳やスマホのメモに書き留めてみてください。
心が疲れそうなとき、それを見返すだけで、きっと「もう少し頑張ってみよう」と思えるはずです。
そしてもし、あなたが誰かの仕事ぶりに「助かったな」「素敵だな」と感じたら、 あの日の生徒が私にしてくれたように、小さな声でもいいので、ぜひ相手に伝えてみてください。
その一言が、情熱の火が消えかかっている誰かの【キャリアの幸福】に、そっと火を灯すことになるかもしれません。