「これといった趣味はありません。」
「仕事が終わったらなんとなくテレビを見て、気づけば1日が終わっています。」
こんな人も多いのではないでしょうか。
以前の私が、まさにそうでした。
平日は仕事に追われ、休日は溜まった家事と睡眠で一日が終わる。
そんな風に、ただ時間を受け身で消費するだけの毎日に、どこか物足りなさを感じていたのです。
もし、あなたも同じような気持ちを抱えているなら、何かを「生み出す」活動を始めてみませんか?
昨日の記事ではニンニクの栽培についてお話ししましたが、今日も我が家の家庭菜園から、心を温めてくれた「サツマイモ」のエピソードをお届けします。
娘の願いと、大きすぎたサツマイモ
先日、娘の保育園でサツマイモ掘りのイベントがありました。
土の中から大きなお芋を掘り出した体験はよほど楽しかったようで、娘は興奮気味にその日の出来事を話してくれました。
我が家の畑にも、春に植えたサツマイモが100株ほど育っています。
「うちでも、お友達と一緒に芋掘りができたら娘は喜ぶかな?」
そう思って娘に聞いてみると、案の定、「〇〇ちゃんと一緒にやりたい!」と目を輝かせました。
娘の願いとあれば、叶えてあげたくなるのが親心というもの。
早速、私は張り切り始めました。
しかし、ここで一つ問題が。
お友達を呼ぶ前に、芋の育ち具合を確認しておこうと、一昨日、マルチシートをそっと剥がして土を手で掘ってみたのです。
言うなれば、試し掘りの前の「試し試し掘り」です。
芋に傷をつけないよう、もし小さかったらもう一度土を被せて大きくさせられるように、スコップではなく手で慎重に土をどけていきます。
雨上がりの匂いが混じる、湿った土のひんやりとした硬さを感じながら掘り進めると、指先に「ボコっ」と大きな塊が当たりました。
「え、ちょっと大きくなりすぎでは!?」
予想をはるかに超える大きさに、全容が見えません。
正直なところ、「サツマイモも放置しすぎた!」と、嬉しいやら焦るやら。
もし100株すべてがこの大きさなのだとしたら、お友達とのんびり約束している時間はないかもしれません。
肥大しすぎると味が落ちてしまうこともあります。
不安定な秋の天気も考えると、早く収穫してしまいたい。
それでも、やはり娘の笑顔が最優先です。
私は葛藤の末、まずは本格的な「試し掘り」をしてみることにしました。
「〇〇ちゃんと一緒がいい!」娘との小さな約束
娘が保育園から帰ってきたタイミングで、私は声をかけました。
「サツマイモ、試しに一つ掘ってみるけど一緒に行く?」
てっきり二つ返事で喜んでくれると思っていたのですが、娘は眉間に皺を寄せ、ハの字眉で難しい顔をしています。
その意外な反応に戸惑っていると、娘がぽつりと言いました。
「〇〇ちゃんと一緒にやりたい……。」
そうでした。
サツマイモのことで頭がいっぱいになり、すっかり忘れていました。
まだお友達の予定は聞いていませんが、娘にとって芋掘りは、お友達との楽しみな予定だったのです。
「大丈夫だよ。今日は全部は掘らないから。一つだけ掘ってみて、お芋が大きくなってたら、〇〇ちゃんをすぐに呼んであげようね」
そう伝えると、娘の顔はパーっと明るくなり、「うん!」と元気な返事をして畑へと走り出しました。
その後ろを、1歳の息子を抱いた妻もニコニコしながらついてきます。
「家族よりも友達がいい日が、もうすぐ来るのかもしれないな。」
そんな娘の成長が嬉しいやら寂しいやら。
そんなことを考えながら、いつの間にか我が家の一大イベントになっているサツマイモ掘りに向かいました。
家族で挑む、大きな大きな秋の恵み
一昨日、手で掘って埋め戻した株の蔓を切り、今度はシャベルで本格的に掘り進めます。
雨上がりで湿った土はずっしりと重く、シャベルに体重をかけてもなかなか歯が立ちません。
「よし、蔓を引っ張ってくれる?」
私がシャベルで下から芋を押し上げ、娘が蔓を引っ張ります。
初めは片手で引っ張っていた娘も、これは大変だと感じたのか、ぐっと腰を落として両手で力いっぱい引き始めました。
「がんばれー!」
「もっともっと!」
声をかけ合いながら格闘すること5分。
何度もシャベルを入れ直し、畝のあちこちからグイグイと土をほぐしながら押し上げたその時、ついに大きな芋が姿を現しました。
蔓の先にぶら下がる、巨大な塊。
「これが昨日見えなかった全容か……」としみじみと眺める私。
「おっきー!」と秋の空に響きわたる娘の歓声。
芋にまとわりついた土を払うと、大きな親芋からたくさんの子芋が生えているような、ユニークな形をしていました。
「私もやる!」 娘が小さな手で一生懸命に土を払ってくれます。
その顔は「これで〇〇ちゃんも呼べるね」と、満足感でいっぱいの笑顔でした。
「この笑顔が見たくてサツマイモを育ててきたんだよな。」
まだ100回近くこの大変な作業をしなければならないという憂鬱さも、この笑顔のためなら頑張れると思えた瞬間でした。
「そうだ!このおいも、今日たべようよ〜。」
名案を思いついたと、さらに目を細める娘。
しかし、サツマイモは収穫してから少し寝かせる「追熟」という期間を経ることで、デンプンが糖に変わり、甘みが増すのです。
「お芋って、掘るのも大変だし、掘った後も美味しくなるまで時間がかかるんだよ。」
そう声をかけましたが、娘はすぐに食べられないことに不満そう。
それでも、楽しさだけでなく、食べ物を作る大変さが、この体験を通して少しでも娘に伝わってくれたなら嬉しいです。
「受け取るだけ」から「生み出す」喜びへ
実りの秋。
サツマイモは比較的育てやすい作物ですが、それでも大切にお世話してきたものが立派に育ってくれた喜びは格別です。
家庭菜園は、家族に美味しい恵みを、娘に体験と学びを、そして私には大きな達成感を運んできてくれます。
それは【キャリアの幸福】が、【身体的な幸福】や【人間関係の幸福】も連れてきてくれるようなものです。
仕事やお金のためだけでなく、自分が心から熱中できることがある。
それこそが、私の思う【キャリアの幸福】です。
かつての私のように、「趣味がほしい」と思いながらも、なんとなく動画やSNSを眺めて休日を終えてしまう人は少なくないかもしれません。
もちろん、それも大切な休息の時間です。
ですが、もし日常に何か彩りがほしいと感じるなら、受け身の時間だけでなく、何かを「創造する」時間を持ってみてはいかがでしょうか。
編み物でも、文章を書くでも、絵を描くでも、料理でも。
もちろん、プランター一つから始められる家庭菜園もおすすめです。
消費するだけでなく、自らの手で何かを「生み出す」時間は、私たちに予想以上の熱中と達成感を与えてくれます。
難しく考える必要はありません。
まずは「ちょっとやってみようかな」と思えるくらい小さなことからで大丈夫です。
例えば、
・スーパーで買ってきた豆苗の根を水に浸けて再生栽培してみる。
・週末に一度だけ、スマホでレシピを見ずに勘だけでチャーハンを作ってみる。
そんなゲーム感覚の「生み出す」体験からでも、全く問題ないのです。
きっとそんなたくさんの体験の先に、あなたの【キャリアの幸福】を大きく育ててくれる、素敵な種が見つかるはずです。
