「やりたいことはあるけれど、忙しくて時間がない。」
「ちゃんと準備ができてから始めよう。」
そう思っているうちに、月日はあっという間に過ぎてしまう……。
そんな経験はありませんか?
かつての私が、まさにそうでした。
夏野菜の収穫も終わり、本当なら秋冬野菜の準備を始める時期。
それなのに、私の小さな畑は、まだ片付けが終わらない夏野菜たちが陣取っていました。
「ああ、今年は冬野菜を諦めるしかないか……。」
そんなふうに、やりたいことをそっと心の隅に押しやろうとしていました。
きっかけは「完璧」を諦めたこと
実は最近、ずっと欲しかった自動調理機を購入しました。
そのおかげで、日々の暮らしに心がふっと軽くなるような時間と体力の余裕が少しだけ生まれたのは事実です。
でも、私が重い腰を上げて畑仕事に向かえた本当のきっかけは、「時間ができたから」という単純な理由ではありませんでした。
むしろきっかけは、10月という新しい月を迎えたことによる、ほんの少しの気持ちの変化です。
「満足に土づくりもできていないけど、今からでも収穫できる野菜はないかな?」
「早く準備しないと…」という焦りから、「準備しなくてもできることはないかな?」へと、考え方がふっと切り替わったのです。
この発想の転換ができたのは、皮肉にも、完璧な家庭菜園を諦めたからでした。
そこでハッと思い出したのが、ニンニクの存在です。
昨年も9月の終わりに植え付け、今年の6月にはたくさんのニンニクを収穫できた成功体験がありました。
「そうだ、ニンニクを植えよう!」
しかし、カレンダーはすでに10月。
オクラはまだ畑に根を張ったままです。
そして、私に与えられた時間は、1日にたったの20分。
普通ならここで「だから諦める」となってしまいそうですよね。
でも不思議と、この時の私は「だからこそ、少しずつ進めてみよう」と思えたのです。
「やるから、やる気が出る」を実感した4日間
「一気にやろうとしない。とにかく少しずつ、コツコツ進めよう。」
そう決めてからの私の行動は、本当に地味なものでした。
1日目:オクラを抜く
まだ小さな実をつけているオクラに「ありがとうね。」と声をかけ、思い切って引っこ抜く。
そして、それを畑の隅に寄せておくだけ。
作業時間、わずか15分。
これだけで、この日の畑仕事は終わりです。
でも、たったこれだけなのに、確かな一歩を踏み出せた感覚がありました。
不思議と「明日もやろう」という気持ちが湧いてきたのです。
2日目:草取り
オクラの跡地の草取りです。
丁寧に手で抜く時間なんてありません。
後からまた生えてきても構わないと割り切り、鎌でざっと刈り取るだけ。
これも20分で完了です。
ずっと見えなかった土が見えることで、やっと「畑」だとわかるようになったのです。
この喜びと目に見える達成感がまた私のやる気を引き出しました。
3日目:畝(うね)づくり
畑を耕し、野菜を植えるための土のベッド(畝)を作ります。
肥料の代わりに米糠を、石灰の代わりに砕いた卵の殻を撒いて、クワでざっくりと耕します。
時間がないので、土を混ぜたのも一度だけ。
盛り上げた土をキレイに均すこともせず、この日の作業は終了です。
完璧とは程遠い、なんとも不格好な畝。
でも、久しぶりに持ったクワの重さと、土の柔らかさに癒されながら、何もしなかった昨日より確実に未来に近づいているワクワクを感じていました。
4日目:ついに行動した日
そして昨日。
自動調理機のおかげで心と時間に余裕があったこの日は、合計で1時間ほど作業ができました。
まず、朝6時過ぎ。
ひんやりと澄んだ空気が気持ちいい玄関先で、YouTubeを聞きながらニンニクの皮むきを始めました。
6月に収穫した自家製ニンニクです。
「本当にまだ使えるかな?」と少し不安でしたが、茶色い皮を一枚一枚むいていくと、中からツルッと真っ白な美しい姿が現れました。
「大丈夫だ、このニンニクは生きている!」
そう確信しながら、植え付け用に大きいものだけを選んで、丁寧に皮をむいていきました。
この地道な作業だけで、あっという間に40分が過ぎていきました。
そして、娘を保育園に送った後の20分間。
皮をむいたニンニクを畑に持っていき、あの雑な畝の上に、親指と小指で大体の間隔を測りながら並べていきます。
場所が決まったら、指で穴をあけ、ニンニクを埋めて、土をぎゅっと押し固める。
たった15分ですべての植え付けが終わり、やりたかったニンニクの植え付けが完了させることができたのです。
小さな一歩が、大きな幸福を連れてくる
10月に入ってから少しずつ進めてきたニンニクの植え付け作業。
すべてが終わったとき、胸いっぱいに広がったのは、清々しい達成感でした。
もし、「完璧に準備をしてから」と考えていたら、きっと今も何も始められていなかったでしょう。
「ニンニクを植える」という大きな目標を、
・オクラの片付け
・草取り
・畝作り
・皮むき
・植え付け
というように、細かく作業を分けたこと。
そして、一日20分でもいいから「とにかくやってみた」こと。
このスモールステップが、私をゴールまで連れて行ってくれました。
「やる気が出たらやろう」では、やる気は永遠にやってこないのかもしれません。
「やるから、やる気が出る」
ありふれた言葉ですが、今回、身をもってその本当の意味を実感しました。
さあ、あなたも「小さな一歩」を踏み出してみませんか?
この記事を読んでくださっているあなたにも、「やりたいけど、なかなか始められないこと」はありませんか?
それは、読書かもしれませんし、勉強や運動、部屋の片付けかもしれません。
もしそうなら、完璧を目指すのをやめて、「今日できる、ほんの小さな一歩」だけを踏み出してみてください。
読書がしたいなら、まずは1冊、本を買ってきて目のつく場所に置いておくだけでもいい。
勉強がしたいなら、テキストを1ページ開いてみるだけでいい。
部屋を片付けたいなら、引き出しを1つだけ整理してみるだけでいい。
たとえ失敗したっていいんです。
私も以前、土づくりが不十分なまま冬野菜の種を蒔きました。
しかし残念ながらそのほとんどが発芽しませんでした笑
「やってみてダメだった」という経験は、納得感と次への糧になります。
でも、「やらなかった」という後悔は、「あの時やっておけば…」と、いつまでも心にモヤモヤを残すものです。
完璧な準備も、十分な時間も、そして「やる気」さえも、待つ必要はありません。
ほんの小さな行動が、あなたの日常に新しい風を吹き込み、心を豊かにする【キャリアの幸福】に繋がっていくはずです。
ぜひ、今日から何かを「ゆるく」「小さく」始めてみませんか?