「ああ、美味しい!」
心の底からそう感じて食事をしたのは、いつが最後だったでしょうか。
忙しい毎日の中では、食事はタスクになりがちです。
お腹を満たすための作業、次の予定のためのエネルギー補給。
そんなふうに、味わうことを忘れてしまう瞬間が、私にはよくあります。
先日、そんな日常の当たり前が、いかに奇跡的で幸せなことだったのかを、改めて教えてくれる出来事がありました。
笑顔が戻った食卓
6歳の娘が、先週の土曜日から胃腸炎になってしまいました。
食べてもすぐに戻してしまい、戻してしまったことに落ち込んでいる姿は、見ているだけで胸が締め付けられるようでした。
病院でいただいたお薬のおかげで、数日かけて少しずつ回復。
そしてついに、食べても戻すことがなくなり、食卓に娘の笑顔が戻ってきたのです。
「おいしいね!」
そう言って、もりもりとご飯を食べる娘の姿を見ているだけで、こちらの胸が温かくなります。
娘の全快祝いというわけではありませんが、その日の夕食は、久しぶりにお肉がメインの献立にしました。
実に、5日ぶりのお肉です。
ジュージューと焼ける音と香ばしい匂い。
テーブルに並んだお肉を前に、目を輝かせているのは娘だけではありません。
おそらく、食べられるようになった娘本人よりも、私たち親の方が大喜びしていたと思います。
久しぶりに口にしたお肉の、なんと美味しかったことか。
「食べたいものを、食べたいときに食べられるって、なんて幸せなんだろう。」
心から、そう感じました。
普段の私は、健康を意識して夕食の炭水化物を控えています。
ですが、この日ばかりは別でした。久しぶりのお肉というご馳走を前に、我慢なんてできません。
ほかほかの白米の上に、タレの絡んだお肉を乗せて、一気にかきこむ。
この組み合わせは、やはり最高ですね。
幸福感で満たされ、思わずおかわりするために立ち上がりました。
しかし、ふと見ると、娘も妻も、それはもう幸せそうな顔でお肉を頬張っています。
「このペースだと、お肉がなくなっちゃうな。」
そう思うと、不思議と自分の食欲はすっと消えていきました。
私の「おかわり一杯」よりも、家族二人の「おいしい笑顔」の方が、心を何倍も満たしてくれることに気づいたのです。
そっとお箸を置き、2人の笑顔を眺める時間もまた、格別な幸せでした。
日常と非日常がくれる幸せ
実は我が家では、献立のローテーション化を実現しています。
曜日ごとにメニューがある程度決まっているので、毎日の「何作ろう?」という悩みから解放され、安定した食生活を送れています。
これはこれで、「いつも通り」という安心感のある幸せです。
しかし今回のように、体調不良などでローテーションが崩れた後に迎える「いつも通り」は、格別の輝きを放ちます。
娘の胃腸炎という出来事は大変でしたが、そのおかげで「ローテーションから外れる幸せ」、つまり非日常がもたらす幸せの最たるものを、家族全員で噛み締めることができました。
失いかけて気づいた、本当の「好き」
正直なところ、最近は年齢のせいか、お肉の脂が少しずつ重く感じられるようになっていました。
若い頃のように「お腹いっぱい!」となる前に、胃が「もういりません……。」とギブアップしてしまうのです。
「もう昔みたいには食べられないな……。」
そんな少しの寂しさを感じていたのも事実です。
食べたい気持ちはあるのに、身体が受け付けなくなってきている。
そんなもどかしさを抱えていました。
しかし、今回の一件で、私は自分が今でも「お肉が大好きだ」という純粋な気持ちを、はっきりと思い出しました。
いつでも食べられるという「当たり前」が、好きなものを食べられる喜びを少し覆っていただけだったのです。
「食べたい」「美味しい」と感じる心と、それを受け止められる身体があること。
これこそは、私が定義する5つの幸福のうちの【身体的な幸福】そのものなのだと、改めて気づかされました。
もし将来、「歯が弱くなって、硬いものが食べられない。」「病気で食事制限がある。」なんてことになったら、人生の喜びはどれだけ減ってしまうでしょうか。
幸い、今の私はまだ、食べたいものを美味しく食べられています。
娘の体調不良と真剣に向き合い、擬似食事制限となった数日間は、このかけがえのない幸せを再認識する、貴重な機会となりました。
健康を守って【身体的な幸福】を手に入れよう
この幸せを一日でも長く続けるために、私が現在やっていることは3つです。
・バランスを考えた食事:AIに栄養バランスを相談しながら毎日の食卓を整え、たまに好きなものを思いっきり楽しむ。まずは「今日の献立の栄養バランスはどう?」とAIに聞いてみると新たな発見があるかもしれません。
・日々の筋トレ:いつまでも自由に動ける体をや、好きなものを好きなだけ食べても罪悪感のない体を作る。毎日は大変かもしれませんが、1日1分から始めたり、週に3回から始めたりして継続していけるといいですね。
・歯の定期検診:現在から将来までの食の喜びを守り、安心して食べることを楽しむことができる歯を維持する。「最近調子が悪いなあ。」と思ってからではなく、調子がいいときから継続して診てもらうのがコツです。
どれも特別なことではありません。
でも、この小さな積み重ねが、未来の「美味しい!」を守ってくれると信じています。
この記事を読んでくださっているあなたも、ぜひ一度、ご自身の【身体的な幸福】について考えてみませんか?
まずは難しく考えず、今日の食事をいつもより少しだけ丁寧に味わってみてください。
あなたが「大好きだ」と思える食べ物を、美味しく食べられる。
その小さな事実に、そっと感謝してみませんか。
その一口が、あなたの日常を、より温かく、幸せなものに変えてくれるはずです。