「ああ、今日も疲れたな…」
「やりたいことはあるのに、時間がない…」
日々忙しく過ごす中で、そう感じていませんか?
私も同じです。
もし、あなたが「やらなければならないこと」に追われ、本当にやりたいことが後回しになっているなら、この小さな畑での出来事が、きっとあなたの心を軽くするヒントになるはずです。
私は家庭菜園をやっています。
どんなに忙しくても、この家庭菜園が心を癒やしてくれています。
たとえ家庭菜園のせいで忙しさが増そうと、それは自分の好きなことだからこそ、手放したいとは思わないのです。
その畑の、うねすら立てられないような片隅では、ひっそりとオクラが成長していました。
昨年取れた種がたくさんあったので、畑に蒔ききれなかった分は、雑草を刈ったところにパラパラと蒔いていたんです。
最初は雑草にも負けず、すくすくと育っていました。
小さいながら頑張って伸びていこうとする生命力には感心していました。
ところが、季節が進むにつれて、状況は一変したのです。
夏は本番。
雑草の勢いは増すばかり。
畑の隅々まで丁寧に草を抜く時間が取れなくなり、あっという間にオクラは雑草に埋もれてしまいました。
それだけならまだしも、困ったのが虫の増加です。
特に蚊!
「ブーン、ブーン……」
耳元で響くあの不快な羽音。
しゃがみ込む私の体に、何十匹もの蚊がまとわりつき、容赦なく刺してくる。
刺されないように全身に神経を集中し、腕にとまろうものならパチン!
顔に飛んできては手で振り払う。
そんなことの集中力は途切れ、正直、心底うんざりしていました。
それでも、「オクラを可哀想に」という気持ちが強く、今日はなんとか雑草だけを処理しようと思いました。
オクラを救ってあげたかったんです。
畑のうねで育てているオクラはすでに収穫が始まっているのに、隅のオクラは一回り小さく、まだまだ収穫には遠い。
それでも、手をかけられない中で育ってくれたオクラを諦めるのは忍びなかったからです。
しかし、うっとうしい蚊。
待ってくれない時間と、蚊を追い払うためにどうしても止まってしまう草取りの手。
下の子が昼寝から起きるまでの短い時間が、私のタイムリミットでした。
今のままでは到底間に合いません。
まとわりつく蚊へのストレスもピークに達したところで、「もう無理!」そう心の中で叫び、ついに決断しました。
「オクラごと、雑草を刈ってしまおう!」
そうと決まればかがんで草取りをする必要はありません。
立ったままザクザクと草刈りを進めていくだけです。
すると、蚊が寄ってくるのは足元だけ。
腕や顔にまとわりつく不快感がなくなり、まるで呪縛から解放されたように、体が軽くなりました。
作業の効率が劇的に上がったんです。
今までしゃがみ込んでの草取りでは、2mの草を取るのに30分かかっていました。
それが、草刈りに変更した途端、なんと8mを30分で終えることができました。
もちろん、オクラも一緒に刈ってしまうことは少し残念でしたが、効率を優先したこの選択は、私に大きな心の平穏をもたらしてくれました。
スピーディーに作業が進むたびに、心の中には「初めからこうすればよかったんだ」というすがすがしさと、畑がみるみる綺麗になっていく達成感が広がっていきました。
草刈りが終わる頃には、あれほど悩まされていた蚊もどこへやら。
草むらというすみかをなくし、どこかへ行ってしまったのかもしれません。
何より、子供が起きる前に畑仕事を終えることができた達成感は、格別でしたね。
今回の経験で痛感したのは、「何を選択するか」が本当に大切だということです。
選択するには、何かを捨てる覚悟が必要なときもあります。
私の今回の目的は、「雑草の処理と虫を減らすこと」でした。
「オクラを守る」というのは、実は付加的なことに過ぎなかったのです。
今回、オクラがその身をもって教えてくれたこれらのことは、今後の私の生活の中で生きてくるでしょう。
畑仕事という、一見キャリアとは無関係なこの小さな出来事。
でも、ここで私が学んだ「何を守り、何を諦めるか」という選択の重要性は、驚くほど私たちの仕事や目標達成のプロセスに似ていると感じたのです。
仕事や趣味などのあなたが熱中したい、達成したいと思っていること。
それらが、たくさんの付加的なことに覆われ、本来の目的を見失いそうになることはありませんか?
例えば、
○趣味の作品を作りたいのに、道具を揃えることにこだわってしまう。
○仕事を片付けるべきなのに、部屋の片付けから始めてしまう。
○海外旅行に行きたいのに、「英語をしゃべれるようになってから」と勉強することに一生懸命になってしまう。
オクラが私に教えてくれたのは、「本当に大切な目的」を見定め、それ以外の「付加的なこと」は、時には手放す勇気を持つこと。
そうすることで、目的達成への道がぐっとシンプルになり、効率も幸福度も格段に上がる、ということです。
私たちは日々の仕事やプライベートで、様々な選択を迫られています。
そのせいでたくさんの決断に追われ、ときには何から手をつけていいか分からなくなることもあるでしょう。
そんな時、あなたにとっての「本当に大切な目的」を考えるのは非常に有効な一手となります。
その目的を達成するために、あえて何かを「手放す」選択肢も、時には必要かもしれません。
あなたの【キャリアの幸福】も、この畑のオクラのように、たくさんの「やらなければならないこと」に埋もれていませんか?
一度立ち止まって、あなたが本当に情熱を注ぎたいことは何ですか?
本当に達成したいことは何ですか?
そのために何を手放せるか、考えてみませんか?
きっと、新しい道が開けるはずです。
何かを手放すのは、敗北や怠慢ではありません。
自分にとっての幸福を見極め、そこにエネルギーを注ぐための、賢くて優しい選択です。
そうやって心と時間に余白が生まれたとき、私たちは「幸福」を実感できるのかもしれませんね。
自分に優しくゆとりを持って、そんなふうに「ゆるく」、しかし大切なことには集中して、「幸福」を追求していきたいですね。